【イベントレポート】GVH Startup Camp 2017 Demo Day

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2016年から始まった、スタートアップ育成プログラムGVH Startup Camp。株式会社 サンブリッジ グローバルベンチャーズ(本社:大阪市北区、代表取締役社長:アレン・マイナー)と、公益財団法人 都市活力研究所(本社:大阪市北区、理事長:木戸洋二)が提供する、短期集中型起業プログラムです。その特徴は、1)起業仲間が見つかる、2)実践的なスキル(ソフトウェアやハードウエアの基礎知識、プレゼンテーションの力)が身につく、3)グランフロント大阪のフリースペースを利用できる、です。(昨年の経験者の動画

2017年10月14日、2か月の活動の集大成となる発表会がありました。優勝チームには、11月東京開催の「TechCrunch Tokyo 2017」参加チケット相当が贈呈されたため、チームも意欲をみなぎらせていました。

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基調講演:90%のスタートアップが失敗する理由とは

オープニングでは、株式会社ユニコーンファームの田所雅之氏より、日本や米国で起業し、Fenox Venture Capital (運用額1700億円)のベンチャーパートナーの経験を通して、スタートアップが陥りがちな失敗を話していただきました。

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田所:僕は今、4社目の会社を立ち上げているところです。今まで1500社の、デューディリジェンス(Due diligence)にも関わりました。多くのスタートアップを見ていると、自分が昔やった失敗と同じことをしています。

スタートアップは、学習にフォーカスすることが必要です。学習にフォーカスしていたスタートアップは、学習していないところに比べ7倍資金調達できる可能性が高く、成長スピードは3.5倍と、世界のスタートアップをモニターしているStartup Genomeが言っています。

多くのスタートアップは「こういうプロダクトがあれば良いよね?」と思い込んで、プログラミングをして、会社を作って、プロダクトを市場に出し、スタートアップになった気になる。Facebookのファンが増えた、Wantedlyランキングが上がった、ブログのPVが伸びているなど、見たい数字だけを見てしまう。しかしそれが何でしょう?サービスの定着率が低く、売り上げがゼロなら意味はないです。

“自分たちはスタートアップやっているぜ“ 症候群に陥り、何も学んでいない、実行していない、そんな人たちが多く見られます。

学習にフォーカスするとは、次のようなステップを踏むことです。

仮説を構築する→ヒアリング(一次情報)する→仮説を検証する

仮説構築には、これを使う人はどんな人で、どういうプロセスを踏み、どこに痛みがあり、どんな代替案があるか洗い出します。ヒアリングは、街に出てユーザーと話し、課題に対する代替案の不便や不満や不安を直接聞きます。最低20人に、ヒアリングしてください。スタートアップは人数も少ないので、全員で最初の1か月は、とことん仮説検証をしてください。

起業が成功するのはArtと言われていますが、失敗を防ぐのはScienceです。失敗には、パターンがあります。11月に出版する「起業の科学 スタートアップサイエンス」は、その点を体系化して分析しているので、陥りがちな誤りを避けてもらえればうれしいです。

パネルディスカッション:投資したい学生像とは?

次に、関西大学梅田キャンパスの財前 英司氏と、サンブリッジグローバルベンチャーズ代表 アレン・マイナーの登壇です。モデレーターは、GVH Startup Camp オーガナイザーの牧野成将です。財前氏は自身が起業家であり、キャリア教育の一環として大学生に起業イベントを多数開催されています。

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アレン:ネットバブル2000年の頃、東京で起業支援を始めた頃は、日本全体にまだその土壌がありませんでした。17年後、東京では成功したスタートアップがエンジェル(個人投資家)になり、支援をし、ある程度起業の生態系ができています。しかし関西は、世界トップ10内の経済規模があり、人口も学生も多いのに、起業環境はまだまだです。起業家が生まれる可能性は人口に比例していると思いますが、投資のお金が十分ではない。潜在力があると思い、今年8月に、本社を東京から大阪に移しました。

財前:学生と接していると、「起業で失敗したらどうするのですか?」ととても心配する人がいます。また一方、プロダクトを作ったら簡単に起業できるという気になりがちです。学生だからこそ、社会への不満や何が問題なのかに対して敏感に感じとってほしい。プロダクトを作るのも大事ですが、そう言われるより、課題を話す人の方が熱量は感じますね。

牧野:経験があまりない学生が、どのように課題を見つければよいでしょうか?

アレン:僕はアメリカユタ州出身で、街は人口16万人の小都市ですが、今250憶円の投資が集まっています。二人の天才プログラマーがいて、大学の先生の協力も受け、ノベルというスタートアップを成功させたからです。その会社はもうないのですが、起業経験を持ち、資金を得た人が、新たなスタートアップを生んでいます。学生は社会とのネットワークがあまりないので、大学の先生と仲良くなって応援してもらうのが重要だと思います。

牧野:課題を見つけるのは、社会との接点を持つということでしょうね。16万人で250億円の投資ということですが、大阪の人口は261万人、日本全体でも1500億円の投資額、大阪は20-30億円くらいですから、もっと伸びる可能性はありますよね。

開場からの質問1:自分は高校生で、プログラミングに詳しい先生と会う機会がないのですが、どうすればよいでしょうか。

アレン:自分の興味を多くの人に話すと、その深さや情熱が伝わり、どこかで「こいつは本気だな」と、応援してくれる人が現れると思います。自分も高校生の時、人見知りでしたが、教会でプログラミングに興味があると話していると、高校生でも参加できる大学のプログラミング講座を教えてくれる人がいて、その後につながりました。

財前:プランドハプンスタンス理論(Planned Happenstance Theory: 計画的偶発性理論)という、スタンフォードの先生が唱えたものがあります。成功した人は「偶然が重なって、よい出会いがあって、うまくいった」というのですが、偶然を呼び寄せる人は好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心があるようです。今日ここに来ただけで、幸運の一歩です。年齢制限がない講座もあるので、飛び込んでいったら、可能性は広がっていきますよ。

開場からの質問2.僕は今、大学2年生です。ちょっと前なら「起業するならプログラミング」と言われていましたが、最近は「プログラミングなんてアウトソーシングだ」とも聞きます。ライターになりたい気持ちもあるけれど、「これからはAIが全部書くから、仕事はなくなる」とも言われますし、どうしたものかと思います。

財前:誰も未来はわからないので、自分で未来を作らないといけないでしょう。今は、成熟社会ですから、個別対応や人を思うといったことは残るような気がします。

アレン:何が一番大切か分かったとしても、自分がそれを大好きで、自分の特性を生かせるとは限りません。興味あるもの、できるものを極めていけば、自分しかできないものがあるはずです。それを進めていけば、社会があなたを求めるはずです。

牧野:最後に応援したい、投資したいと思う学生像は?

財前:いろいろありますが、最後は情熱、やり抜く力ではないでしょうか。それがあれば、助けてくれる人はきっといます。口に出してみるのが大切

アレン:応援したくない学生は99%。だけど、そんな学生には会うことはあまりありません(笑)。ここに来ている学生で僕が会う人は応援したくなる学生でしょう。学生にあって社会人にないもの、それは世間知らずで、社会の難しさを知らず、挑戦できること。とんでもない成功ができたのは、マイクロソフトやアップルなど学生起業。どういう学生に投資したいかというより、若い人全般に言えることですね

2か月のチームの力を発表!

いよいよGVH Startup Camp 2017、4チームのビジネスプランの発表です。

  • カガリジビエ:捕獲された野生の鳥獣(シカやイノシシ)のほとんどが廃棄されている。それを解決するため、捕獲後すぐにジビエ料理として加工するプラットフォームを構築する。
  • エアル・クック:飲食店の注文受付(オーダーエントリーシステム:OES)は紙がほとんどで、記憶違いや確認時間がかかる。OES と AR(拡張現実)グラスのアプリで、注文効率化やアルバイトの心理的負担を低下する。
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  • ぐるもり:会食先を探すのは手間がかかるのと、当たりはずれがある。会食コンシェルジュサービスを介して、良い店を効率的に見つけることができる。
  • みーるマン:働く親の味方になるお弁当の宅食サービス。残業発生時にも直前に注文し、宅配ボックスで受け取ることができる。安価で、有機野菜を使い、食育になる。
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審査員から数々の鋭い質問が出る中、登壇者はこれまでの準備を生かして回答しました。

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一般参加者の投票もチームの勝敗を決めるので、皆真剣に発表に聞き入りました。

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最終発表。なんと同点で最優勝チームが二つ、エアル・クックとみーるマンが選ばれました。

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田所氏:今回選ばれたチームは、市場性の分析をし、アイデアをデモにし、どう実行するのか、エクセキューションの部分が明確で良かったです。

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アレン:初めて聞いたものばかりで、面白かったです。日本の強みの一つは食事。どれもフード関連だったのも興味深くて、フードファンドを作ったほうが良いかもしれないと思いました(笑)。若い人の中から食についての提案、おいしいものが楽しみです。ジビエの食事もいつか食べてみたいですね。

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レポート:GVHサポーター会員 マーケティングPRプロデューサー 西山裕子

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