【GVH5周年記念】リレーインタビュー第3回 アレン マイナー

注※この記事は、2016年5月時点のものです。

GVH大阪(グローバルベンチャーハビタット大阪)は2015年12月で5周年を迎えました。
これを記念し、GVH大阪の卒業生をはじめとした「グローバル・リーダー」のインタビューをリレー形式でお届けします。

第3回目は、サンブリッジ グループCEO アレン・マイナーです。

その他のインタビューはこちら
①「大阪を救うのは若者しかいない!」平石 郁生

②「スタートアップに必要なこと」 米坂 元宏氏

③「大阪から世界へ」 アレン・マイナー

④「大阪から、次のステージへ。」中嶋 洋巳氏

⑤『GVHへの想い』牧野 成将

「インキュベーター」でも、「アクセラレーター」でもなく

サンブリッジを設立した2000年の頃、スタートアップに投資をし、その成長を支援する「インキュベーター」が、シリコンバレーで流行っていました。当時日本では、創業したばかりのいわゆるシード段階の企業に資金を出す所は少なく、金融機関は上場する段階に入ってからアドバイスをする位でした。 シード企業は実績もないため、評価をするのが難しいという見解でした。私は日米双方で、ITを中心に数々の企業を創業から上場まで支援した経験があるので、それを活かして、日本とシリコンバレーの良い所を足した環境を提供したいと考えました。

「インキュベーター」という言葉はもともと、「未熟児や病気の赤ちゃんの保育器」「鶏を量産するための孵化器」という意味です。「救う」「量産する」というニュアンスがあります。しかし、ベンチャー企業というのは、機械的に作れるものではなく、量産もできません。芸術なのです。弱いものを救うのも重要ですが、弱いものは死んでしまいます。むしろ私は、勝手に育つようにしたいと思いました。「アクセラレーター」という言葉も投資の世界ではよく使われていますが、これは強いものを加速させるというニュアンスです。サンブリッジは、一つの強い企業を応援するよりは、ベンチャーにとって好ましい生態系を作りたいと考えました。

GVH(グローバルベンチャーハビタット)への思い

ベンチャー企業にとって一番良い生態系は、シリコンバレーにあります。ベンチャー企業が産まれ、育つ環境が整っています。一方、日本はベンチャーにとって砂漠のような状況でした。砂漠でもラクダは2週間生き、サボテンも深く根を張って育つという人もいますが、そんな天才や尋常ではない頑張りがなければ生きられないとすれば、大変です。行政や大学がもっと応援すれば、砂漠からサバンナくらいに出来るのではと考えました。そこで私が、2000年に東京で起業家向け施設を作った時、「サンブリッジ ベンチャー ハビタット」という名前を付けました。ベンチャーに投資するというよりは、ベンチャーが育っていく良い環境を作りたかったのです。「ベンチャーのエコシステム(生態系)」という言葉もありますが、「ハビタット」は心地よい・住みやすい・その生物に適しているという意味があります。例えば、砂漠は北極グマにとっては最悪の場所ですが、北極はラクダにとって最悪。ベンチャー企業それぞれにとって、居心地の良い場所にしたいと思いました。

ハビタットは、頑張っている人同士が刺激することで良い環境になります。ですから、絶対に個室にしたくないと思いました。ここには、外資系企業の日本法人の社長と、最近起業したばかりの若いベンチャー社長が机を並べています。有名な外資系企業の社長は、資金があっても本社から離れていて怠けがちですが、同じオフィスでがんばっているベンチャーを見ると、お金がなくてもここまで出来るのかと刺激を受けます。一方、外資系企業は会社の管理やKPIの立て方がしっかりしているので、ベンチャーはそれを見て勉強になります。

関西で生まれる、グローバルな起業家を

アレンは大阪に来るたびに、起業家達と相談に乗り、積極的に支援やアドバイスをしている

そして3年ほど東京でハビタットを運営して、次にしたいと思ったのは、「グローバル」。アメリカから日本にベンチャーが来る、日本からアメリカへベンチャーが行くなどを支援したくなりました。

東京のベンチャー支援の実績を元に、大阪でも同様の事ができないかという話が出てきました。そして生まれたこの施設、GVH(グローバル ベンチャー ハビタット)大阪では、少しずつ国際的な交流を行いました。5年経ちましたが、関西でのベンチャー企業の育成という意味では、思ったより時間がかかっています。大阪で生まれたベンチャーが、大阪で資金調達して成長することを期待していました。しかし今でも多くが、初期の資金調達をすると東京へ移転してしまい残念です。ただ、最近、独立系のベンチャーキャピタルができたり、京都大学や大阪大学がファンドを作っているので、今後に期待しています。

大阪市長も登壇したGVH Demo Day(2016年4月26日開催)。行政も起業家に期待し、支援を増やしている。

逆に思ったより早かったのは、GVH大阪に外国人の起業家が増え続けていることです。大阪の方が東京より、外国人のベンチャー起業家が入居しています。日本の起業家向けオフィスとしては、最もグローバルだと思います。

GVHでは、ハロウィーンパーティやセミナーなどを開催し、会員の交流を積極的に促進している

過去を振り返るより、信じた未来を追いかける

シリコンバレーも、ベンチャーの生態系ができるまでに50年の歴史があります。東京も、楽天やサイバーエージェントなどの有望な企業が生まれ活躍し、エコシステムを作るのに15年ほどかかりました。良い循環が出来るには、時間が必要です。大阪は始まって5年ですが、これからは非常にエキサイティングだと思います。大阪が持つ学生の数、消費者や顧客の層の厚さを思うと、東京に比例するベンチャーの活動がないとおかしいのです。

私は、一生懸命やっている人と一緒に仕事をするのが好きです。日本全体をベンチャーにとって砂漠からサバンナに発展させ、大阪がベンチャーにとってのオアシスになるまで頑張ります。

取材・執筆:GVHサポーター会員 マーケティングPRプロデューサー 西山裕子

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